発達障害の母

母もそうだが、このタイプの人は嘘が下手だ

いや、嘘がつけない、すぐにわかる

声が小さかったが、通りすがりの別のホール係が

 

「彼女~気を付けなよ、そいつ悪いやつじゃないけど

バカだから!いや、騙す気持ちがあるわけじゃないんだけど

見栄っ張りなんだよな~」

 

そう言って通り過ぎた

真っ赤になってうつむく修二がかわいそうになった

こういうのは苦手だ

私にうそをついてもいい

それは修二じゃなくたって、誰だってそうだ、

それを丸ごと信じてあげるから

その後に来る、気まずさとか

嘘をついた人間のオドオドとした心の傷を見るのが

本当に嫌なのだ

そこに、よっぽど私の利害が絡まない限り

嘘をつけばいいと思うし、それに付き合ってあげる

それは、私が小さなころ、父が母に対していたのと同じ態度だった