速水の悩み

「それで、今、何してるって言ったの?」

タケオは真っ赤になった

「モデル・・・・」

速水はじっとタケオを見つめると
キャラキャラ笑い始めた

「モデルねぇ」

「え?それっぽくは見えるでしょう?
彼女もそんなに違和感なかったみたいだし
まぁ、まだ、駆け出しだって言っといたから
大丈夫そうだったし」

速水はタケオを引き止めたかった
タケオが普通の人になったら、こっち側の人間が
追うことはできない
母と父のことは知っている
それでも、最後まで母は逃げ、父があきらめなかったのだ
その図式は反対では考えられない気がした

その場で思いついた言葉を口にした
もちろん、この仕事を辞めた後
何かしたいとは思っていたのだが

「私、モデル事務所を作ろっかなぁ」