発達障害の母
私は自分が彼女を連れて帰りたいわけではないし
この場所であったことは絶対言わないから
そう言って、あの店で買ったお皿を出した
「よかったら、これ、使って」
朋ちゃんは嬉しそうに包装を開いて眺めていたが
「あ~ちゃん、あそこの村の出身とは思えないね
なんか、東京に慣れてるし
あそこのお店でお姉ちゃんが、酒におぼれていた時に
会ったよね?
お姉ちゃんはろくでもない人間だったけど
怒りもしないで、偉いなって思ってたんだよ
お姉ちゃん、あん名だから、嫌がられるに決まってるよね
お姉ちゃんのこと聞いてるんでしょう?」
「うん、まぁ。あの村だと何でも耳に入ってくるし」
「ううん。知ってくれているなら話が早いからね。
私ね、たぶん、お姉ちゃん、あの旦那に殺されたんだと思う」
「え?」
「だって、お姉ちゃんが発見されたとき
下着が絶対、お姉ちゃんのものじゃなかった
お姉ちゃん、絶対にああいうのは身に着けないもの」