発達障害の母
「雅ちゃんの話聞いたかい?
首くくって死んだんだってさ
罰当たりなことに
あのお宮さんでさ
村で折角、お金集めて建て替えたのにさ
あそこで自殺なんかしたんじゃ
誰も寄り付かなくなるよ
子供も作れない女の最後はあんなもんさ」
母の言葉に普段なら
余計なことは言わないで!と叫ぶのに
妙にシビアな感じを受けた
母に子供ができたいなかったら、どうだろう?
私と弟がいなかったら、どうなっていたんだろう
父は早くに亡くなった
もしかしたらこの村では生きていけなかったかもしれない
そう、考えると
母自身ももしかしたら、わかっているのかもしれない
雅ちゃんは勉強はできなかったけれど
ずるがしこいことは学校でも有名だったし
ちゃんと、イケメンの男を捕まえることもできた
母の脳みその数倍もある、まともな人間の女だ
だけど、みじめな死を選んだ
ほんとうは知能なんて必要ないのかもしれない