街の灯り

「ママは小さい時におばあちゃんに連れられて
家を出たから、あまり覚えていないんだけど
写真はおばあちゃんが大事に持っていたって
おばあちゃんは随分、男好きな人で
それに付き合わされた家族は大変だったけど
ママはおばあちゃんとの生活、楽しかったって」

ミキが否定し続けてきた家族のことを
この少年がさらっと嬉しそうに話すのを聞きながら
居間に戻って、その写真を見せてもらった

そこにはミキの知らない父と母がいた
父は若く、確かに康太によく似ている
でも、ものすごく幸せそうに笑い
その父の横で美しく幸せそうに笑う若い母
だから自分が生まれて、来たんだ
そうミキに突き付けられているような
そんな写真だった

「素敵でしょう?
その後ろの古いトラック、
おじいちゃんのおしゃれなポロシャツと
おばあちゃんのミニスカート
僕はこの写真が大好きなんだよ」