全く何もないまま

風俗にいた時には
そこから出ることだけを考え
実家に帰ってからは
風俗に行くような女の子を出さない
家庭を目指した

そして、沢村との結婚生活
大学教授夫人
正二と話していた頃の夢は叶ったのだ

しかし、子供が生まれて元の木阿弥!
.....こんな考えは行けないことはわかっている
速水は自分の才能を一番伸ばせる
仕事についているのだ
それは偏見でしかないのだ

でも、心から晴れ晴れと
子供の仕事を喜べるものじゃない

それなら自分は一体何をしに
この世に生まれてきたのか?

全く何もないままだ

発達障害の母

「う〜ん。
私の子供たちも私立の小学校に行ってたんだけど
学校の勉強は、また、違うのよ」

「違う?」

「そう、もちろん、私立の小学校から
そこの附属の大学までその中にいるのならば
学校の勉強がパーフェクトにできれば問題ないけれど、中学受験をして、もっと、偏差値の高いところに変わりたいと思うならば
学校の勉強では対処できないの
うちは中学から違う附属の中学を受験させたから
中学受験用の塾に通わせたの
中学受験、そこの中学によるけれど
小学校の普通のカリキュラムをやっているだけでは、なかなか合格は難しいのよ
そこの私立中学の過去問を売ってるから
ネットで注文して
樹奈ちゃんに一度やらせてみるといいと思うの、まだ、小学校の四年生だから
間に合うとは思うけれど
中学受験用の塾か家庭教師、それも無理ならば
親が参考書を片手に教える
そんな感じかな!
まずはネット注文!
そして、その中学に実際行ってみる
樹奈ちゃんと一緒にね!」

全く何もないまま

ミキはむせび泣きながら

「正二さん、なんのために生まれて
来たんだろう?!
家族もなく、親も誰ともわからないまま
そして、最後はあの、風俗小屋から
覚せい剤を断ち切るために
命まで取られて!!!!」

みぃはそれを聞いてポツリと言った

「正二さんはお姉ちゃんを好きになったこと
そして、正二さんが作った事業の基盤を
私が受け継ぐこと
それが、1番の幸せだったんだよ!」

そんなことで良かったのかと
ミキは考えた
そう、それで良かったのかもしれない
全く何もない正二の人生、
そんな風に思ったけれど
じゃぁ、自分の人生はどうなんだろう?

発達障害の母

「それで、その女の子が

学校に行くのに私立だから

可愛いセーラーの制服を着て行き

素敵な自分の部屋を持っていて

ベッドに一緒に寝せてもらって

周りにあるあらゆるものが可愛いって

思ったみたいで

まぁ、動機はそんな所ですけど

私立に中学からでも行きたいって

言ってます

うちは一人っ子だし、中学に合格したら

寮生活になって、うちの人も寂しい

とは思うんですけどね」


「わかったわ!

後はじゃぁ、お勉強の実力ね!

どうかしら?

あなたの友人の娘さんは

私立に通っているんでしょう?」


「あ、教科書、見せてもらいました

学校での勉強は英語以外は

大体一緒でしたよ」

全く何もないまま

覚せい剤を流していたヤクザに
撃たれて死んだのだ
その時にそいつらは正二の財産を
根こそぎ奪うとるつもりだったようだが
正二のものは何一つなかった

すべて借金の状態で
死んだのだ

みぃはしばらく隠れていた
まぁ、ぜったいにみぃの存在は
正二の金銭的なところからは
わからないようにしていたのだが
念のためだ

みぃは正二の死をミキに伝えた
ミキはみぃに全て託したところまで聞いて
涙が止まらなかった

発達障害の母

「 樹奈ちゃんはどうなの?

本人の意思が一番大切なんだと思うよ

うちは本人がまだ、

考えられないってわかっていても

一応、私立に行くメリットとかを

小学校受験の前に話したけど」


恵子ちゃんは驚いて


小学校受験でですか

すごいですね〜

樹奈は行きたいって言うんです

でも実は私がそう仕向けたところもあるんです

大学時代の友人が東京にいて

やはり、あ〜ちゃんみたいに幼稚園受験から

やってるんですけど

ディズニーランドに遊びに行く時に

わざと泊まらせてもらって

同い年の女の子の東京での生活を見せたんです」

全く何も無いまま

「どんなにお金を儲けようが
どんなに、ここが有名になろうが
それを切らなければ
どうしようもないんだ
みぃがここにやってきたのは
本当にラッキーだった
俺の全てを引き継がせて
きっと、俺よりももっと、
発展させてくれるだろう?
だから、俺はそっちの処理に全力を注ぐ

俺はミキさんには惚れているが
この仕事、ミキさんじゃできないからな
みぃで本当に良かったよ」

正二がそう話して
その3日後だった