発達障害の母

私は嫌になって、自分の部屋....

と言っても、昔の自分の部屋ではない

母が好きに建て増しした

やたら立派な特上の畳が敷いてある

部屋に戻った

ここも、人が入ることは10年に一度くらいなのに、やたら、美しく仕上げてある

どうせ、業者に上手いこと言われて

作ったのだろうが、そこに母の好みの

100円均一で買った趣味の悪い造花が飾られているのが悲しい


すると、誰かお客が来たようだが

母に会いに来たのなら

私は顔を出すのも面倒なので

部屋でゴロゴロしていた


発達障害の母

そんなものはまだ、微々たるもので

私があげたものを人にあげていることなんか

微々たるものだ

無駄に家に手を入れて、多分だが

電気屋や大工にいいように言われて

お金をかけている

頭は小学三年生でも

見栄は大人並みに貼りたいのだ


孫の学校が東京でも有名な私立で

小学校からそこに入っているなんてことは

私からしたら見栄の張りがいがあることだろうに

そこは理解の外なので、興味も何もない


私と母同じ日本国内に人間として住んでいるが

全く、アリと犬のように違う世界に

住んでいるのだ

発達障害の母

私は東京からいろんな母の喜びそうなものを

いつも送っていたのだが

こうして、母の元に来てみると

価値のあるものや立派なものは

だいたい人にあげたという

見る目がないのは知っていたはずなのに

一万円の扇子を


「あああれって、100円均一のでしょう?

年金の会で街に行った時に

100円均一で立派な扇子が売ってるから

すぐわかったのよ

あれは、あんたの従姉妹のまっちゃんが

欲しいって言ったからあげたのよ」


そんなことを言われると心が折れる

まぁ、あげたものをどうしようと

母の勝手だと私は諦める


30万円の日本人形も村の誰かに

あげてしまっていた

発達障害の母

学校に私立と公立ってやつがあるのが

よくわかっていない

しかし、今日は一生懸命

私の目を見て聞こうとする

少し嬉しくなった私は

ハッと気がついた

今日は恵子ちゃんが来るから

私は家にいても朝からバッチリ化粧をしていた

母はすっぴんの私がどんなに心を砕いて

説明しても理解しようとしないし

すぐに他のことに気持ちが行くのだが

化粧をしていると

私に見惚れるのだ

別に私が美人だと言うことではない

化粧が好きなのだ

自分でも化粧のことならば

工夫したりお金をかけたりする

発達障害の母

「お母さん、ポイント

もう一度調べて見たら

もう少しで五百円って言ってたでしょう?」


そう言って追いやった

恵子ちゃんはとりあえず

樹奈ちゃんと学校を見に行くことにした


母は最近恵子ちゃんがよく来るのを喜んで

学校の相談に来てるのを知ると


「ここら辺の子はみんな、あそこの中学に行くんだろう?なんで、あんたに相談してるんだい?」


「ほら、うちの子供たちみたいに

私立、わたくしりつの学校に行かせたいみたいだよ」


「え?あんたんとこって、そのわたくしりつってとこに行ってるの?中学をかい?」


私はと当時小学校に合格した時に話したのだが

案の定、何もわかっていなかった

発達障害の母

それから、恵子ちゃんが


「樹奈の学校のことで相談に来たんですよ!」


そう言うと

母は


「あら、樹奈ちゃんは恵子ちゃんに似て

可愛いから

すぐにお嫁の口が見つかるわよ

学校なんてどこ言っても同じよ」


私は自分の世間での地位をあげるための

方法は学力しか持っていなかった

だから、いまでもネコは私に

一目置いてくれるのだ

私に学歴がなかったら

今の結婚はできていない

そう、イライラして来るのだが

恵子ちゃんの前で不機嫌になるのも大人気ない


発達障害の母

母がちょうど帰って来る

ポイントが沢山溜まって嬉しそうだ

台所で買ってきたものを冷蔵庫に入れながら

恵子ちゃんに


「あのね、今日は安いものがたくさんで良かったのよ、牛乳なんか百六十四円だったわ」


牛乳は冷蔵庫に1リットルが二本入っている

どちらもまだ開けてないのに.....

私は落ち込みながら

母にも恵子ちゃんと同じ紅茶を出す


嬉しそうに恵子ちゃんに


「私紅茶は大好きなのよ

娘が買ってきてくれるのは

ちょっと、お高いけれど香りがいいわ〜」


そう言いながら、きな粉をわんさと入れて

牛乳で薄めて飲む

どんなに素晴らしい紅茶もオジャンだ