理想の父

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「お母さんが一番好きだったお花だし
お父さんはこの花を持ったお母さんが
一番好きだったと思うから
二人して大喜びだと思うわ

叔父さんは、仕事が忙しいんじゃないの?」

速水は康太が母の墓参りするのは
珍しいことだと思ったが
そう言うのもなんだし
そう、遠回しに言うと

「ああ、いや、そんなこともないんだが
ちょっと、章子のことでね
姉さんに聞いてもらいたい気持ちになってさ
そう言えば、小百合が速水には随分お世話になったとか
言ってたけれど、雅紀君のこと
あの後のことも聞いてるんだろう?」

速水は叔父が父親として章子のことを心配しているのは
よくわかった

「うん、あれから雅紀君とも遊びに来たわ
あ、お昼から、章子ちゃんが学校が終わったら
二人で遊びに来るって言ってたから
叔父さんも来る?」