暇な奴ら
新開にもそんなことはわかっている
わかっていても、今の知り合いは
誰もがそこに価値を置いているのだ
速水とは一緒に車に乗せてもらい、写真も撮ったし
行きつけのお店まで連れて来てもらった
もう、用事はない
「あ、あの、、私用事を思い出して・・・」
速水は新開の気持ちはよくわかった
帰ろうとする彼女に
「あなたがどんなにもがいても、そんなものは手に入らない
どうして、その場所にいるの?そんな場所にいる価値は
全くないと思うけれど
もし、バカバカしい虚飾の世界から逃れてくなったら
声をかけて!」
背中でその言葉を聞きながら
新開は少し泣きそうになる
わかってるわかってるけど、仕方ないじゃない
もう、速水とは二度と喋らない