秋風
誰もがみぃの幸せを願っているのだ
そして、大木の子供の頃の話を聞くと
もしかしたら自分たちよりも、もっと、すさまじい
子供時代を送ったと感じ
恵さんはじめ、昔からの仲間は大木を気持ちよく受け入れたし
みぃが大木を想っているのならば
ぜひ、手助けしたいなんて余計なことを考えていた
みぃにとってはこんなに自分の気持ちがみんなに
ダダ洩れしているとは思いもよらず
ただ、心の奥底でひそかに想いを寄せていたのだ
大木が海外に行って最初の一か月が過ぎ
タケオが帰って来た
「一緒に大木さんも帰ってきたの?」
速水が聞くと
タケオは首を振りながら
「あいつ、恋人がいるんじゃないかな?
何となく、そんな気がするよ
うまくいってない感じはするんだけど・・・
今回は仕事で慣れていないことが多いからって
一緒に帰らなかったんだけど」
「え~そうなんだ!
でも、うまくいっていないんだったら
みぃさんの気持ち、伝わらないかな~」