秋風

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「僕は正二さんて人のようには
到底働けません
努力だけでここまでやってきました
授業を真剣に聞いても、意味が解らないときは
家に帰って何度も何度も教科書を読みました
テストの前にはできる問題でも何回もやり直して
それでもできない問題があると、その夜は眠れませんでした
僕は有名私立小学校に入れてもらいましたが
そんな不安を抱えながらも
新しい両親に、そんなことを思っているとは
悟られてはならないと
屈託のない子供を演じていました
それは今でもそうなんです」

みぃはこの時に、まったく祐介にやられてしまった
みぃの周りでは絶対いないタイプ
質のいい高いスーツを着て、それがしっかり板について
管理された体形に、世間を敵にしたこともないような
柔らかな物腰