ただ毎日を

タケオは不合格のその夜

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母が心底嫌いになった
母はめそめそ泣いて

「いったいこれからどうすればいいの」

それしか言っていなかった
タケオにしたら合格した第二志望の高校に行くだけだ
そこだって、簡単なとこじゃないのだ
その高校からは東大が多く輩出されている

父も兄もまったく興味をしめさず
合格した所に行けばいいと言う感じで
父親は高校になら私立であってもお金は用意してくれてあった

メソメソしてるだけの母親に何か言うこともしない父
タケオはその夜、着の身着のままでふらっと
家を出たのだ

真澄はタケオがいなくなってくれてホッとした
成績がよくて自慢の息子
そうじゃない息子は受け入れることが出来なかった
わかってはいる
こういう時に母親がどんな態度をとらなければいけないのか
でも、どうしても息子を恨む気持ちしか出てこない
どうして合格しなかったの?
それだけしか考えられなかった