速水の子育て
速水派が言うと
義母は目を白黒させた
「母親が何を言うの!
星君は真面目でいい子じゃない」
速水はすかさず
「だからと言って、放りだすとか、かわいがらないとか
愛してないってことではないですけどね」
タケオがそれに続いた
「母さんは中学で家出した僕を見放したけれど
僕らは星人を見放したりしないよ」
「な、なにを言うの
放り出しただなんて!
心配はしたわよ」
「そうかな?警察に届けることもせず
僕がいなくなってホッとしたんじゃないの?」
「そんなわけないでしょう!
心配したけれど、そっとしといたほうがいいと思って」
タケオは冷たい目で母を見た
16になったばかりの男の子が自業自得とはいえ
男に買われた時の驚きと悲しみは母には絶対わからないだろう
「もう、自慢の種ではなくなっていたからね」