速水の子育て

イメージ 1

すると、星人は最近は黙っちゃいない

「ママって変わり者だよね
うちって、みぃおばさんの会社のおかげで
パパも仕事バリバリやって、海外を飛び回ってるけど
ママって本当は中卒でしょう?
パパは私立大学だし、康太おじさんとか
お祖父ちゃんみたいに東大がいるのに
何で、すごいとこ狙っちゃいけないのさ!
何でも一番ってすごいことじゃん
ママ、勉強も仕事もしてないんだから
そんな、変わったこと言って食べていける
社会かどうかわかんないんじゃない?」

みぃの会社が莫大に伸びたのは速水のおかげだ
高校を辞めて一年目から二十歳過ぎまで
稼ぎに稼いだのは速水だ
でも、そのことを義母には話せない
星人は生意気になるばかりだ

「僕、こっちの小学校に転校して
中学受験する
向こうに友達もいなかったしつまんなかったんだもん」

速水はため息をついた
反対する理由はない
日本にいなくったって星人はずっとこの調子
友達なんかできるわけがない
計算が早い、何でも知っている、そんなことを鼻にかけて
英語や日本語を混ぜて偉そうにしゃべるから
誰も星人には近寄って来なかったのだ