長い恋の果て

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小学校の頃はただただ、どうしてうちのお母さんは
よそのお母さんみたいじゃないんだろう
料理だってほとんどしない
家の掃除や料理、洗濯は小学生だったミキがした

楽しいことは何もない
家のことをやって、買い物をしていると
近所のおばさんたちは
『あんた、えらいね~
でも器量はお母ちゃんよりいいから
そのうち、もっと、楽に稼げるようになるよ』
なんて意味深なことを笑いながら言われた
教師は勉強がよくできて真面目なミキを褒めてはくれたが
参観日には来ない、家庭訪問にも親はいない
親がまともでないと知ってからは
何も言ってはくれなくなった
そこは教師が介入するところではないからだ

中学に入ってからは、母の男がすぐにミキに目を付けた
父がトラックの運転手の仕事で家を空けている間に
さっさと自分の店で働くよう手配した
母親はそれがミキの不幸だとは思っていなかったし
その男に逆らえはしなかった