小さな願い

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「どういう人たちなの?
理子のこと、そんなに心配してるの?」

保奈美は不思議な顔をすると同時に
全くの他人に、こんなに心配される理子に対する
嫉妬もむき出しにした

普通の家に生まれて
こんなに心がゆがむなんて
人は不思議なものだ
ミキたちの実家は家庭なんか崩壊していたが
長女のミキがまっすぐ過ぎて母を許せないところがあり
康太も母を憎んではいたが
姉と力を合わせて、ひたすら勉強した
みぃに至っては何の反発も持っていず
母のおかげで正二に会い、そして、経済や経営を学び
いつだって幸せで楽しかった
唯一、正二が死ぬまでミキを愛していたことが
寂しいことでもあったが
姉がどんなに素晴らしい女性かわかっているので
そのことで傷つきはしなかった

普通に見えたが、保奈美は母の連れ子だ
そこがこんなに深く心をえぐるとは・・・・

今、ミキたち三人には少し不安なことがある
三人の血液検査をしてみたら
もしかしたら父親は三人とも違うかもしれない