小さな願い

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母親は言うことを聞かず
理子にちょっかいを出す姉を嫌い
父親は厄介者としか思わない
そうなると、理子は自分を責めた
できるだけ姉に優しくと
遠く離れて暮らしている間も
手紙を出したり、プレゼントを贈ったり
できるだけ寄り添えるよう頑張った

中学受験をしてほしいと言う父に
姉を思って、公立に行った
大学でさえ、姉よりも偏差値の低い所を選んだ
理子の今までは常に姉よりも上にならないこと
それだけだったのだ

ショウと知り合ったとき
その危惧が少し、心に浮かんではいたのだが
ショウの気持ちはわかっていたから
姉でもどうしようもならないだろうし
ここは譲れないと思ったのだ

「理子ちゃん、ショウ君のこと本当に好きだったのよ」

ミキがそう言うと
みぃも

「うん。保奈美がショウに迷惑かけることが
許せなかったみたいだしね
全部話してくれれば、そんなこと気にしなかったし
保奈美にお金くらいあげたのに」