小さな願い
「え?お姉さんが来たの?」
結婚してからならばともかく
その姉がここに来るってことも不思議な気がした
「そう、理子ちゃんとは父親違いのお姉さんで
早くから家を出ていたみたい
理子ちゃんは、そんなお姉さんに気を使ってたみたいで
良く会うのは会ってたみたいだけど
ビックリだったわ!
ここに来るなりもらった名刺がそれ!」
そう言ってみぃは名刺を投げた
私立探偵
高坂保奈美
あっさり書かれたものだった
「へ~あの理子ちゃんのお姉さん、探偵さんなの」
みぃは吐き出すように
「探偵なんかじゃあるものですか!
脅迫者よ!」
「え?」
「私が完璧に作り上げた、うちの家系とか
私たちの過去とかを実際歩いて調べたみたいで
不審に思ったんでしょうね
それで、うちの風俗の仕事の原点を調べたみたいなの」
そこを言われるとミキだって何も言えない
自分たちのことは隠す必要も何もないと思っているが
孫、子供になってくると辛い思いはさせたくない