星人の不思議

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「僕、おばあちゃんの言うようにしたい」

それは、タケオも速水も全く考えていなかった
一言だった
そして、輝くようなタケオの母の顔

「ほうら!ごらんなさい!
星ちゃんが一番わかってくれるわ!」

それ以来、星人は学校に行きたいと言うようになったし
タケオがよく観察していると
星人はタケオの母にそっくりだと言うことだった
速水の家の誰もが星人にとって一番いい方法と考えて
特に速水の父親に至っては
長年日本の教育の在り方に疑問を呈していたから、
星人には一人の人間として学んでほしい教育を
受けてほしいいと、最近では大学よりも
星人のそばにいることが多かったのに
星人はそれを嬉しそうにはしなかった

タケオは星人の無邪気な笑い声に母を感じ
速水は星人のしゃべりかたが
姑であるタケオの母にそっくりだとうんざりした