不思議なことを数えれば

タケオは

「僕の人生もそうだし、人に流されることで多くのいいこともあると思う

僕は人に流されやすい人間だったから

高校受験に失敗したとき、周りの目に耐えられなかったし

また、大学に行こうと思ったことも

周りの目を気にしてだった

だから、そのことを褒められるけれど、別に褒められるようなことじゃない

こうして、普通のサラリーマンになるチャンスが戻って来たのに

そうなれば、子供の父親として完璧に演じることもできるだろうけれど

僕らの原点は所詮、夜の世界さ

どんなきれいごとで包んでもみぃさんの会社は性風俗で成り上がったんだ

君の今の収入だってそうだろう？

今のネット時代、こういうことは子供を集団の中に入れれば

すぐにばれることだしね

それなら、そんなくだらない集団生活に入れなきゃいい

僕の思いはこれだけだよ」

タケオはこうやって自分の意見を語ってしまったことを

恥ずかしそうに後悔して

「今夜も仕事、入っているから」

そう言って出て行った

確かに世間では意見をちゃんと言えだの言うが

そういうやつはちょっと、おかしいやつが多い