不思議なことを数えれば

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「あ、父はね女に対してはひどい人間だったけど
教育者としては一流だったんだ
集団でたった一人のかけがえのない個性を教育して
ただ、つまらないバランスの取れた人間ができることを憂えていたんだよ
人は一人一人の子供に
全力で当たらなければならない
それが父の持論でね
僕は人から見れば、ひどい父だったしても
大好きだったし、父のおかげで、こうして研究者として
何とか名を成せている気がするんだ」

ああ、そういうことか
風俗嬢の自分をただ純粋に追いかけ、愛してくれている
それは、集団から生まれる、つまらない常識に縛られていないからだ

「そうね。でも、あなたのお父様は曲がりなりにも
教育者だったし、それなりの見識も持っていらっしゃったんでしょう?
あの子たちに、その、学校にやらない教育ができるのかしら」