不思議なことを数えれば

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「いったい、僕を誰だと思ってるの?
この世界ではベテランで人気のある木佐さんが
警戒する男だよ
腕は確かだし、うっかり妊娠なんかさせるはずないよ
ハーミー自身は気が付いていないかもしれないけれど
ハーミーの絶大な人気は、普通の女の子のような透明感と
清楚で知的な雰囲気、それをぶっ壊すエロチシズム
そして、僕はその清楚で知的なところにやられているんだ
この間、初めて知ったけど
お父さんは東大の教授なんだろう
なんて理想的なんだって感心したよ
だから、どうしても大学に入ってバカじゃないって見せたかったんだ

お金は将来嫁になるんだから
貸し借りなんかちっちゃいことは言わないよね」

速水はただただ、自分の間抜けさに嬉しくて、驚いた
確かに一人っ子に生まれて
自由に育てられた
苦労しているわけじゃない
風俗の世界に入ってはいたが
それはみぃが全面的に守ってくれる世界だった
速水には人を見る目なんかまったくなかったのかもしれない