速水の毎日

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「高校受験に失敗したからって
ごく普通の家の子供が、いきなり繁華街で
たった一人で暮らし始めるなんて
ちょっと、異常だよね
僕自身、普通で賢くてちゃんとした人間みたいな者にあこがれるけれど
そんな風にはとてもなれないって気が付いたんだ
木佐さんは好きじゃなかったけれど
今の仲間と飲んだって、全くつまらない
あんな理不尽で怪しい恋をしている木佐さんと飲んだほうが
よっぽど楽しいし、興味深いんだよ」

速水は理解できた

「わかる。
同世代で友人は無理だよ
全然、いないしほしいとも思わないからね」

「うん。それで、ああ、ゆっくり話したいって
ずっと思っていたんだ
でも、あんなふうにお金をだしてもらって
あんなふうに別れたでしょう
なんだか、顔を出せた義理じゃないんだけど
でも、速水に会いたかった
他に誰ともゆっくり話をしたいと思わない
速水と話したかったんだ
ごめん、やっぱり元に戻って、僕、お金返したい
そのことで速水と繋がっていたい」