速水の毎日

ミキは幸せだった

三人の生活

速水が仕事を辞めて帰って来た理由が恋であることはわかった

そして、その恋は実らなかったのもわかった

三人の生活、家族だけの生活

それはミキが中学のころからあこがれていた生活だ

お金は日々の生活に困らない程度はあって

男漁りが好きな母や何もしゃべらない父

ただただ女好きの祖父

その頃は子供はミキ一人だったのに誰も気にも留めない

母はお金のためにミキを売ることを考えてしかいなかったし

そのことを止めようともしない父親

あの頃の自分があこがれていた家庭

夫は大学教授で娘は家にいて母親の手伝いをしている

自分は家族のために娘と食事を作ったり家事をする

このまま時が止まってもいいと思う

もちろん、速水の仕事も納得はしていたし

本人が好きならばそれでいいと心から思ってはいたが

それが、速水のせいではなく

自分の血のせいだと思うと、やはり悲しみでしかなかったのだ