タケオという男

タケオは無邪気に自分がうまくいっていることを
報告したいのだ
会いたいとタケオが言い、速水がそれなりの店を用意する
速水は前の夜の仕事だったタケオならば
最高級の肉でもワインでも週に一度くらいは
食べたり飲んだりできる環境だったが
今はそうはいかないだろうと
高い高級な店を用意する

タケオは無邪気に喜ぶが

「あ、酒はやめとく
社会の暗記が進まないんだ、
それに英語の試験もあるし」

そんなことを言うタケオに驚きだ

「なぁ、速水、聞いて!
すごいんだよ、俺、けっこう偏差値の高い大学狙えるかも」

「そっか、勉強があってるんじゃない?」

「いやいや、今は朝一番にやることなんだと思う?
鰹節でちゃんと出汁を取って味噌汁を作る
そして、アジの開きを焼くんだ
どう?すごいでしょう?」

その変わった自分が大好きだと言うように
楽しく報告する