速水の悩み
タケオは一緒に寝ることが出来れば
万が一、自分が留学などしていなくて
中卒のまま夜の世界で働いている男であっても
絶対に自分から離れないようになるだろう自信があった
しかし、沙羅は絶対にそんな状況にならないように
何かと逃げるのが不思議だった
しばらく何かとやってみたが
タケオはしびれを切らして
「ねぇ、僕らって付き合ってるよね?」
そんな風に当然なことを聞いてみた
「え?そうなの?」
タケオのほうが驚く
「え?違うの?」
「だって・・・・」
だって、何なんだ?
「う~ん。仲のいい友達?なんじゃない」
「そうか、じゃ、今から付き合っていることにしようよ」
「え~、私、好きな人いるんだよね
大学の先輩なんだけど、まぁ、今のところ片思いだから
タケオ君と遊ぶのは楽しいけど、付き合うのは違う気がする」