速水の悩み

速水はタケオに少し待つように言い
父親のところに戻る

「パパ、ちょっと、ごめんなさい
用事が出来ちゃった」

沢村は頷きながら、タケオを見て会釈した
ミキから話は聞いていた
みぃ情報だはあるが
速水が前の仕事をきっぱりやめたのは
この、男のためだ
そして、この男は自分は男娼であるが
普通の女子大生に恋をしている
そう言う話だった
娘の恋に関して、いや、娘の人生に関して
何か意見を持つつもりはない
ただ、速水が幸せになればいいと、親としては願うだけだった

たぶん、普通の父親とは違う
でも、その願いは同じだ

速水がネット風俗の業界に入らなければ
この、世界ではただただ、誹謗中傷を浴びる高校生活を送るしかないと
考えた時には、それが速水にとって幸せならば
それでいいと思った

そこは、やはり文学を心の根に持っている学者であるから
納得はできるし、娘の人生のドラマチックさに感動もする