速水の悩み
速水は少しも躊躇せずにタケオのそばに来て
「どうしたの?」
「いや、それはこっちの話だ
何?今、一緒の男は熱烈なファンか?
そいつがお金は湯水のように出すから引退しろって言ったのか
大学の教授?ふ~ん、そんで、ずっと一緒にいろ!
とかって話?」
タケオの頭ではそれくらいの想像しかできなかったが
それは仕方がないだろう
速水もこんなところを見られて、タケオが本当のことを知って
脅しでもかけてきたらどうしよう
なんてことも思いつかなかった
タケオにはそんなところは十分あるのだ
しかし、速水はそう言う人間には会ったこともなかったし
今まで、安全面ではみぃや優人に完全に守られていたから
考えもしなかった
「あ、父よ」
さらっと言い放ったその言葉にタケオは驚く