速水の悩み

そして、平穏に暮らしていき
少し落ち着いたら
今持っているお金を元手に
みぃにでも相談して、何か始めよう
そう決めていた

そんな平穏な日々に
ラインが届いた
あ....

そう言えばタケオには
電話番号を教えた気がする
こうしてコンタクトを取ってくれば
思わず期待はしてしまう

「久しぶり!
もう、仕事辞めたの?
もう、僕を買ってくれないの?」

営業のライン!

速水はがっかりしたが
2人をつなぐことがそれしかないのならば
それでもいい
理屈で氷のように割り切れたのは
今まで本当に感情を乗せて心を動かすことを
したことがなかったからだろう
こうして、生身の声が聞こえれば
心は揺らぐ