速水の悩み

努力という言葉がもてはやされるが
その先に、努力に見合うものは待ってはいない
そこには、やはり自分がもともと持っている
ものにしかたどり着かない

速水はここに帰って
一体どうするつもりだろう
完璧な普通の女の子になっても
その、タケオという男娼との
接点なんか一つもない

速水は料理教室に通い
父親にひたすら美味しい料理を作り
フラワーアレンジメントを習ったり
そのほかは、ほとんどミキのそばにいた

速水は学校の勉強ができた方ではない
父は大学教授だがその才能はなさそうだ