速水の悩み

それでも、今はマネージャーだ

「その、沙羅さんて人、木、金の夜
えっと、四時から八時だそうですよ」

「そう」

「いったいどうしたんですか?
これから、どうします?
やっぱり今日の仕事は無しですか?」

速水は驚いた
もちろん、自分にだ
昨日まで、毎日の仕事は楽しかった
自分の性的満足を万人に見てもらって
それが極上の楽しみで
安全はみぃが守ってくれて
お金はうなるほど入ってくる
ほんの昨日の夜までそれが人生のすべてだったのに
タケオにあったとたんに100パーセント価値観が変わってしまった

もう、この仕事は嫌だ
タケオが男娼であることを
その沙羅って子に、やっていることを言えなかったように

タケオに恋する速水は今の自分がすべて恥辱にまみれていて
沙羅に嫉妬する権利もなければ、純粋な恋などできる
人間でもないと気が付いた