ミキのママ友

優人は我を忘れて飛び出してきた
殿村は優人を台所のテーブルに誘った
そして、久しぶりに優人にコーヒーを入れながら
ミキが速水のところに聞いてくれて
使えるようならマネージャーになってほしいと言っている
そう言うと
優人は心から嬉しそうに

「死んでも頑張るよ!」

殿村は優人がこんなにポジティブに話すのをはじめてみた気がした

すぐにミキと連絡を取り
明日にも速水と会わせてくれるという

「あ、でも、母さん、本当にいいの?」

優人にしてみれば
母親は何より世間の目が大事で、父のように
まともな人生を送ってほしいと願っていたはずだと
誰よりも知っているのだから
母がこの仕事に就くことを反対しないのが不思議だった
優人の中では母親は子供に過度に期待している
世間知らずのお嬢様だった