ミキのママ友

「だって、あなた
自分の育ちを知られたくないから
人の心に入り込まないんですもの」

ミキはそう言いながら
それは自分のことでもあると思った
ミキは自分を相手にわからせないために
本当の自分の上に
もう1人全く別人種のベールを作っている
それは生まれた時から
細かく設定された嘘の自分だ
そこを話すから誰もがミキを
信用するのだ

「そんな怖いことできないわ
私だけじゃなく夫や子供の面子もあるから
結局、嘘で固めていかなければ
どうしようもないのよ」

ミキにはそれは嫌ほどわかる
でも、人がどう見るなんて
本当にどうでもいいことなのだ