ミキのママ友

殿村はなんと言っていいのかわからないようで
黙ってしまった

「ねぇ、本当のことをお話ししましょう
柿が美味しいわね
ケーキはいかが?
紅茶のお代わりは?
そんな話の連続では時間の無駄だし
あなたを知ることはできないわ」

長いこと沈黙していた殿村が口を開いた

「私はね、東北の小さな田舎町に生まれたの
貧乏な大所帯、祖父母、父母、叔母達が四人
父が長男で私はね長女、弟と妹がいるわ
貧乏でガサツな家だったけど
それなりに、その村では普通だったの
でも、私が中学の時に
母が浮気をして、父親がその男を刺したのよ」