そして恋人へ
優未はちょっと、考えながら
「そうだね、今のままでもいっか!
勉強するのは好きじゃないし
別に他に夢とかないし
やりたい仕事もないんだ~」
若い子がそんな風に話すのを聞くと
今までの康太ならば、家庭に恵まれ
小さいころから学校もそん色のないところを選んでもらい
自分が物心つく前から安心した将来を約束されている
目的なんか持たなくても
もう、それなりに標準的なことはできる
優未は勉強なんか好きじゃない
なんて言っているが、小学校から私立ならば
学力は一般の公立には余裕で入れる学力はある
優未なんか英語は小学校から必須科目だし
国語の実力も高い
このまま上の大学に上がれば一流企業も狙える
世の中はこういうものなのだ
偏差値がひどい子が慶応に入ったなんて映画があったが
あれを庶民の話だと思ってはいけない
もともと、私立にいる子なのだポテンシャルは
そのあたりの不良とは違うのだ
「やりたいことないんだったら
今のところにいればいいじゃない」