康太の深淵

「あ、でも、僕はそんな妻が理想だと
結婚前までそう思っていました
母が全く反対の人だったんで」

父親は少し困ったように

「知ってるよ
私は君の経歴があまりに立派なんで
悪いけれど調べさせたんだ
育った町、あの辺りは貧困層の多いところで
ヤンキーみたいな若い人も多い
東京都内では一番、出来の悪い子供が集まってる
そう言われている町で、父親は事故で無くなり
母と妹は失踪中
その中で難関私立中学に合格し、東大から弁護士
あまりにもできすぎだよ
可愛がりたい存在ではないが
やはり娘だからね
心配で探偵を雇ったんだ

男好きの母親、妹のみぃさんの今、
そして、ミキさんの元の職業」

康太は驚きで口がきけない
すべてわかったうえでミツホとの結婚を許してくれたのか