全く何もないまま

もちろん、十代の子を
特に中学を出たばかりの子
いや、まだ、中学に通っているような
そんな子たちを雇うのは
よくないに決まっているが
正二のところで面倒見なければ
もっと、悲惨なことになる

どの子も大概、親がどうしようもなくて
そして、本人もどうしようもないのだ

しかし、ミキに限っては違っていた
もちろん、ロクでもなさそうな母親
その母親の横に立っている
イケメンというしか取り柄のない
最低男
そんなよくあるパターンの二人が
この店にミキを連れて来た

正二はその清潔さに驚かされたのだ
ミキは真っ白な印象で
こんなところで働かなくても
どこでも立派に仕事ができそうだし
学校だって通っていれば優等生だろう
それも誰もが憧れる優等生になっていただろう