全く何もしないまま

教師には何とも言いようがない
正二の言うことは正しいのだ
これ以上どうしようもない

正二は中学で学校は十分だと思った
今知りたいのは、お金の儲け方だ
この店を自分のものにする
ここのオーナーはゲイだ
中学を出たばかりの少年としては
何とか入り込む余地があるかもしれない
まず、そこから考えたが
正二は華奢なオーナー好みの男の子ではないのだ

じいさん相手に

「色が白くて女装がぴったりのような華奢な子
そんな男の子がいいのよ
誰か知らない?」

なんてチェダックは聞いていた
だいたいどう見てもごついおっさんなのに
自分をチェダックと呼ばせるような奴だ
お金は親の代からわんさとあって、働いたことはない

正二はまず、繁華街を歩き回ることから始めた