街の灯り

ミキはそこに自分がすべて捨ててしまいたいと思った
血のつながりを確認し
そして、それが何よりもうれしい自分がいることに気が付いた
なんど、自分がこの家に生まれたことを恨んだだろう
でも、それは間違いだった
苦しんで苦しんで沢村と一緒になるのに何年かかっただろう
みぃの人生を自分が投げ出してしまったんじゃないだろうかと
みぃを正二に任せたことを後悔したが
だから、ショウがいるのだ

速水のことも、本当にこれでいいのか迷ったのだが
所詮、ミキごときのちっぽけな人間が
悩むことではなかったのだ
ちゃんと、こうしてなるようになっていく

みぃが本当に父の子供なのか
そんなことも随分一人で悩んだのだが
どうでもいいことだ
みぃの中にはミキや康太と同じ血が流れている
そして、速水にもそうだ

街の明かりの中を甥であるショウと肩を並べながら
歩ける幸せを噛みしめていた