街の灯り

「それでね、その頃、うちと同じように
お父さんが飲んだくれて酔いつぶれるのが
あんたたちが住んでた家の娘のふみえちゃん
だから、たかちゃんはうちとふみえちゃんちに
よく夜、来てたんだよ
うちは三人も娘がいるのに
結局、ふみえちゃんがたかちゃんを射止めて
それで、たかちゃんはあそこの入り婿になったんだよ」

おばあさんの残念そうな顔を見ていると
ミキはなんだかうれしくなってきた
ショウも自分の祖母が勝ったと思うのは楽しそうだ

「でもね、うちの誰かと一緒になってれば
よかったって思うよ」

おばあさんも年を取ったせいか
二人の心を斟酌したりはしない
本当の話が聞きたいのだから
それはそれで、いいのだけれど