街の灯り

「君のおじさんの職業は風俗の客引きだっただろう?」

ミキはショウの手前、ちょっと、躊躇したが
ショウがみぃから正二のことを聞いているのならば
ここは普通に話を続けたほうがいいだろう
だいたい、沢村はそういう忖度はしない
世の中のことは、いろいろ気を使ったり隠すよりも
まっすぐに伝えたほうが間違いがない
特に知性がしっかりと、その人を支えている場合は
そのほうが絶対いいというのが持論の人だ

「女癖が悪く、お金にもだらしなかった最悪の人だった
そう言っていたけれど、
君のお母さんを男で一つで育てたことを思うと
もっと、いい人というか、
その時代だって無責任に児童相談所に置いたっていいんだからさ」

そういわれると、ミキはもう一度母と爺さんのことを考えてみた
婆さんの話は聞いたこともないが
どうせ母と同じような人だろうと思っていた
そうだ、それにしても爺さんは母を手放さなかった
それは、お金のためだったとずっと思っていた