病院を出ると
康太が
「みぃや速水がすごく喜んでくれてね」
「それはわかってるけれど
それで、いいの?
二人から金銭的援助はどれだけ受けても
構わないけど
親戚付き合いなんかしなくていいのよ
速水にお返しはいらないわ」
康太は複雑な表情をしながら
「姉さん、もういいって思うよ
世間的には受け入れられなくても
うちの母さんみたいな才能は
それはそれですごいんだよ」
「速水のことでそう思うことにはしているし
私や康太は身内だから仕方ないけれど
ミツホさんには迷惑がかかるだろうし
あちらの家族のこともあるでしょう」