え?
どうしてここにこんなものが?
すぐには速水に結びつかないほど
考えが止まってしまった

どうして?
もう、ずっと、昔の仕事がよみがえった
それは、確か、初めて使ったのは今の速水と同じ年だった
はじめはそこの、おっさんにつけ方を習って
一生懸命練習した
もともと、手が器用なこともあって
お客が気が付かないうちに、素早くつけられることが
若いのにって、評判になったほどだ

普通の家の娘には絶対に関係のないもの
長いことそう、思ってきたのだが
普通の家のことなんて
普通の家の女子高生のことなんて
何も知らない自分を顧みた