.....の無い

当分の間は
家でゴロゴロしていたが
ミキが見兼ねて
一万円渡すと、嬉しそうに

「あんたの化粧品、地味だよ
あんた、昔、評判になったくらいなんだから
仕事変えなさいよ
あんたなら歳いってたって
もっと、高級なマンションに住めるでしょう」

いちいち、イライラする事を言う
取り合っても仕方ないので
知らんふりをしていると
そのまま出ていってしまった

夕方帰って来ると
部屋は飲んだビールの缶が転がり
テッシュが散らかり
ミキはなんとなく性行の匂いを感じて
うんざりした
あの女は一体何を考えているんだろう
そう言う女なのは知っているが
まさか、あの歳になってもとは
驚きながら、泣きたくなる