......の無い

康太は母親を許そうとする
ミキすら嫌いになりそうになって
そこを離れた

ミキは沢村が会いたがっていると言う話に
心を占められていた
それだけで、十分だと思う
沢村はあの頃はいかにも大学教授のような
文学者だったが
小説が売れてからはメディアも注目して
雑誌なんかで見かけることもある

本当に、自分の人生とは全く交差しない
全くかけ離れた人だと
そんな思いでいっぱいになる
この頃のミキには何より嬉しい言葉だった

母親がそばにいることは
みぃの事を考えると願っても無い事だ
みぃは怪しい世界にいるとはいえ
しっかり信頼できる人間に守られている
そのみぃの人生を狂わせるようなことは
絶対にさせられない