ミキは少し笑いながら
「さぁ、好きに生きて楽しいんだから
いいじゃない
とにかく、あなたは
知らないふりしてればいいし
ここにはもう、来ないで
私もあなたのことは教えないから」
康太は自分が卑怯者のような気がして
胸が苦しくなる
小学生の頃、頑張って
今の環境から抜け出せば
屈託のない人生が待っている
そう思っていたが
何も変わらない
新しい人間関係が始まれば
もっと、苦しくなる
ただ、それだけのことだ
「でも.....」
康太の気持ちはわかりすぎるほどわかっている
ミキは康太が自分と同じところにいるのは
わかっていた