......の無い

ミキも沢村と会う前なら
そう考えたかもしれない
でも、自分があの母の子供に生まれた以上
何も変わらないし
沢村と一緒になることはおろか
横に並んで座ることすら
自分の気持ちが平らなまま会えはしないのだ

そして、沢村と会えないのならば
自分はどんな生き方をしようが
どうでもいいのだ
全てを受け入れるしか自分が生きる道はない

「いいのよ
別に困ったりしないし
借金に追われているわけじゃなさそうだし」

康太は呆れながらも

「どうせ、男に振られて
次の男がいないだけなんだろ
男さえできれば、
また出て行くかもしれないけれど
あいつ、幾つになったんだろう?」