.....の無い

沢村は確信に近いものを感じていた
あの時、翔子が偽名を使っていたこと
そして、康太に宿る翔子の面影
その時間の流れもぴったりと会うし
翔子があれから何をしていたのか
それは康太に聞いた話にぴったりと合う
そんな人間だった

「ねぇ、沢村教授ってやっぱりすてきね
あの、小説のヒロインは
あなたのお姉さんなのね」

沢村と別れて二人きりになると
みつほは興奮して話し始めた

康太は一目惚れしたみつほを前に
黙り込んでしまった
沢村の小説はかなり事実に近いことも
書かれていて
ミキが風俗にいたことなんかが
書かれている
みつほが憧れて夢中になっているように
素敵な女性として書かれているが
普通に考えたら
風俗で働いていた女だ