その先

それはよく知っている
あの田舎で、すごい美青年だと思ったもの

「それで、ここの1人娘に見込まれてね
僕が生まれたのも東北だけど
あなたや風香が生まれた、あんな場所だった
僕が持っていたのは、顔だけでね
才能も金も何もなかったけど
この顔で、一気にここの主人さ
でも、好きなことをしていいって言うから
ファッション関係の仕事をして
この店のお得意さんが
今の専門学校の初代の会長でね
妻がゴリ押しして副校長になったんだ
もちろん、お金もたくさん使ってね」