「ママが恋に狂ってるだけかも知れないよパパが浮気ではないってことはママは信じてないだろうそれなりに傷ついて別れたいって騒ごうと思ったのにいや、騒いでいれば気分もスッキリしただろうに誰も相手にしないままだし恋でもしなきゃ、やってられないんだ…

「その先生は独身かい？」「うん。そうだよ！34歳くらい」私はトミーがどのくらい大人なのかしっかり知りたいと思った「もし、ママが離婚していればその先生と何かなったって許せるかい？」トミーは少し考えたそして、スマホを出してその講師の写真を見た「…

最初に、ここに入り浸っていたときとは随分違う大人になったものだ村でもそうだ、男好きの母親や酒飲みで暴力的な父親を持った子が全部不良になるわけではないだいたい、仕方がないと諦めて静かに暮らすかちょっと、頭の良い子ならばそんな両親からは、しっ…

子育ての正しい目標は両親より人間として上に育てることだそれを考えれば由美さんは十分にその目標は達成している離婚しないのならばもう、遊んだって良いかもしれない私は村の生活が長い生まれてから一度も村から出たことはないでも、村でも、このすべての…

まるで横溝正史の時代じゃないか！そう思うかもしれないが九州の深い田舎の村にはそういうところが多く中学の時の私の同級生には平、平君や平さんが結構多かった壇ノ浦の戦いに敗れた平氏の落武者たちだったのかもしれないうちの近くの村は矢野の苗字でこち…

その男がどこの誰かは知らない今考えれば、27、8の男だったのではないか白い古い長袖のシャツ作業ズボンに黒い長靴どこの村の若いもんかは知らないが私がふらふらと山や村の道を歩いているとよく見かける人間だった鎌は持っていても誰もがなんの注意もしない…